お葬式――みんな真面目な顔で静かに座っている、あの厳粛な雰囲気。
……そんな場なのに、「どうしても笑いが止まらなくなった」こと、ありませんか?
私はおばあちゃんの葬儀で、“本当にありえないほど”笑いをこらえる羽目になりました。
「今、笑うのはヤバい!!」と思いながら、止められない衝動。
みなさんにも、そんな心の動きに実は経験があったりしませんか?
問題となったお葬式
お葬式の会場。厳粛な空気、親戚一同が整然と並ぶ中。
お坊さん仏具が今まで見たことのないものでした。やたらと“釣り竿みたい”に長い――思わず「なんだコレ。。」と心の中でツッコミ。正直この時点で笑いそうでしたがまだ耐えられるレベル。
隣のいとこ親子が「なーなー。あれ…ハリーポッターの棒みたいじゃなぁ〜」と小声でささやき、その瞬間、“真面目さMAX”な場のギャップがツボに直撃。笑いが堰(せき)を切ったようにわき上がる。声が震えるが必死に深呼吸をして心を落ち着かせるように頑張ってみた。
家族葬で誰もがすぐ近くにいて逃げ場がない状況。
「やばい……絶対笑っちゃダメなのに!」と自分に必死で言い聞かせる。
その間も母は「ほんまじゃなー」と追い打ちをかけるボソッとした一言。
もう完全に抑えきれない笑い😂バレたらヤバい⚠️!もうとにかく必死でごまかす。息を思いっきり鼻から吸い、口から震えるように息を吐く。(これでちょっと泣いて息が苦しい人の様な感じが出せます。笑)
喪主のおじさんが泣いて鼻をすするタイミンに、毎回合わせて笑いを鼻をすする音に変換させて乗り切りました。
もはや、おじさんの鼻すすりと私の笑いのごまかしが完全にワンセットで繰り広げられていました。
心臓バクバク、笑いの反面心は号泣《これ絶対誰かにバレてる……!》
ユング心理学的な分析
「なぜ厳粛な場で笑いが噴き出すのか?」
極度の緊張やストレス下では、本来の感情とは真逆の反応が出ることがある。
心理学でいう“感情の逆転現象”(防衛反応)です。
「絶対に笑ってはいけない」と思うほど、かえって頭から離れなくなり、いわゆる「カリギュラ効果(禁止するほど興味や衝動が強まる)」も働きやすい。
ユング心理学では、こうした“一見場違いな衝動”に「シャドウ(影)」の力、つまり、ふだん抑圧している自分の一部が、予期せぬカタチで現れる現象と解釈できます。
さらに、心理的な「補償作用」――
心が張り詰めすぎると、それを中和しようと無意識が“笑い”という極端なバランスを働かせる。
だから、「笑い」は私たちの心を守るための自然な反応でもあるのです。
お葬式のような集団的な儀式や“場の空気”が、大きな緊張=社会的な規範プレッシャーと無意識の葛藤を引き出した好例。
解決への糸口・安心のメッセージ
こうした「場違いな感情」や「うっかり出てしまう衝動」は、
すべて心の無意識からの自然なメッセージ。
決して“異常”でも“恥ずかしい”ものでもなく、「今、自分の心ががんばって調整してるんだ」と受け止めることが大切です。
感情や衝動は抑えるものではなく、「こういう自分もある」と認めてあげることで、心は少しずつ安心していきます。
セラピーやカウンセリングでも、「予期せぬ反応」にポジティブな意味づけをすることで、自分を責めず“そのまま”を受け止める勇気が生まれるのです。
後日談
そして、数日後――
一緒にいたお姉ちゃんから「あんた、あれ、泣くフリってバレバレだったで(笑)」と指摘される始末。
思わず爆笑になり、その場の緊張感も一気にほぐれました。
さらにお父さんがぽつりと、「ばあさんはお前のことようわかっとるけ、何も言わんよ」
まとめ
「大丈夫、その気持ちは自然なこと」
厳粛な場面で笑ってしまった――その経験には、沢山の「共感」や「心理的な必然」が詰まっています。
緊張や悲しみ、プレッシャー、不安……いろいろな気持ちが混ざるとき、思いがけない形で心がバランスを取ろうとしてくれる。
もし読者の方も、「ここで笑っちゃいけない!」と焦った経験があったら、どうか「おかしな自分」を責めすぎず、「心の健やかなサイン」だと受け止めてほしいです。
「感じてOK」「大丈夫、そのままのあなたでいい」。
ユング心理学の視点と実体験から、そんな安心を伝えたいです。
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