大切にしていた何かが突然崩れ去り、心も頭も真っ白になる経験はありませんか?
「どうして、こんなことが起こるの?」と途方にくれるほどのショック。
塔のカードは、そんな崩壊の瞬間にこそ隠された「再生のヒント」を教えてくれます。
すべてが崩れ落ちたその瞬間
私の「塔」が崩れた日
私にも、かつて、すべてが崩れ落ちたように感じた出来事がありました。
それは、私が絵を描くこと、そして自由に表現することができなくなった、決定的な出来事です。
幼い頃、私はただ楽しくて夢中になって絵を描いていました。しかし、ある時、牧場で牛の絵を描きに行った時、先生が筆を奪うように取ると、私の絵をめちゃくちゃに直してしまったのです。
一生懸命描いた私の絵が、先生の手で勝手に変えられていく。まるで、これまで積み重ねてきた自分の**“創造性”**が、根こそぎ崩れ落ちていくようでした。
その絵は、結局賞を取りました。でも、私は賞が欲しかったわけではなかったので、それを受け取った時、**「これ、私の絵じゃない」**と強く思いました。
この経験は、私に**「私の描き方はダメなんだ。もう、どう描いていいかわからない」**という深い戸惑いと、絶望感を与えました。そして、「もういいや、言われた通りに描けばいいんでしょ」と、心を閉ざすようになりました。
「崩れ落ちた塔」と向き合う
私にとってあの出来事は、自分の「こうあるべき」という固定観念が崩れ落ちた、まさに「塔のカード」が示すような体験でした。
しかし、この経験は、私にとって深い自己理解へとつながる原点となりました。なぜ、私は自由に表現する喜びを失ってしまったのか?なぜ、他者の評価を気にするようになったのか?ユング心理学を学び、タロットと出会った今、私はあの出来事を「本当の自分に出会うための塔の崩壊だった」と理解しています。
絵を描くことはもうありませんが、あの経験から得た学びを活かし、今はカウンセリングを通して、他者からの評価に囚われずに、ご自身の内なる声に耳を傾け、本来の輝きを取り戻せるよう、寄り添っていきたいと願っています。
塔のカードの構造的解釈

- 大アルカナにおける位置づけ
塔は大アルカナの中でも「突然の破壊・衝撃」を象徴し、心の変容の重要な転換点を示します。 - 心理的プロセスとの関連
仮面(ペルソナ)が崩れ、抑えてきた感情や影(シャドウ)が表面にあらわれることで、変容の扉が開かれます。 - カード間の関係
塔は「愚者」など他のカードと連動し、新旧の価値観や心の段階の切り替えを強調します。
ユング心理学的解説
- ペルソナが壊れることは怖い体験ですが、それは「本当の自己」との出会いの始まり。
- シャドウ(無意識の影)に隠してきた感情の解放が起こり、内側からの成長が芽生えます。
- 補償作用によって心が極端なバランスを取り戻そうとし、混乱は再生の準備段階です。
あなたが「崩れ落ちた塔」と向き合うために
- ショックを無理に抑え込まず、感じきることを自分に許す。
- 「何が崩壊したのか」「何が残ったのか」を紙に書き出して整理する。
- 「新しい自分になる準備かもしれない」とポジティブな問いを持つ。
- 日常の中の小さな強みや楽しみに意識を向ける時間を作る。
心の処方箋
この記事を読んでくださったあなたは、今、心のどこかに大きなショックや痛みを抱えているのかもしれません。
そして、その出来事をきっかけに、「もうどうすればいいか分からない」と戸惑っているかもしれません。
あの時、私がそうだったように。
塔のカードが教えてくれるのは、**「崩壊は、終わりではない」**ということ。
それは、すべてが一度リセットされ、もう一度、**「本当に自分は何を大切にしたかったのか?」**と問い直すためのチャンスです。
崩壊の最中にあるときは、すべてが終わりだと感じてしまいます。しかし、その痛みこそが、あなたの心が本当に求めていた「新しい生き方」や「本来の自分」を教えてくれる道しるべになります。
この記事が、あなたの心の塔が崩れたときも、決して一人ではないこと、そしてその先に必ず「再生のヒント」があることを知る、小さな一歩となれば嬉しいです。
あなたも何かが大きく崩れた経験をしたことがありますか?
その時の気持ちや乗り越え方で気づいたことがあれば、ぜひ教えてください。
おわりに
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